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20世紀末・日本の美術


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2000年(平成12年)
2000年(平成12年)
※ピンク色で貼付けてある事柄は、年表に出ていないが、登壇者により取り上げたいと希望があったものです。

中村: 村上隆さんの「スーパーフラット」です。これで東浩紀さんの話もでるかもしれませんが、これ博報堂が出している『広告』という雑誌です。1999年のこの号(11+12月号)で東さんの特集をやっていて、そこで村上さんのスーパーフラットに関する後ろ盾のような記事も書かれています。

永瀬:この年に『STUDIO VOICE』で「ハニー・ペインティング」っていう特集があって(9月号)、基本的にポップ文脈のものなのですが、ここで中ザワさんが重要な対談をされています。

中村:中ザワさんと村上さんの対談があるやつじゃない?

永瀬:そうです。「ヒロ・ヤマガタとは」という対談があります。重要な指摘だと思うのですが、いきなり言ってるんですよ。村上さんの論理で言うならば、ヒロ・ヤマガタが論理的に出てくるはずなのに、なんでそれが抑圧されているのかっていうのを。1行目で言っている。

中村:ヒロ・ヤマガタだけでなく、それこそ日比野克彦(1958-)さんでさえ、批評的にちゃんと定着させてられないですよね。

永瀬:ラッセンとかもね。

中村:…ごめんなさい、俺言うの忘れてた。今思い出して…取り上げてもいいかな?

楠見:どうぞ。

中村:VOCA展の話をしていなかったね。

眞島:あー、忘れてますね。

中村:これ第1回のVOCAですよ。(カタログを手に持って)

永瀬:誰が入ってるの?

中村:これ見ると抽象表現主義的な絵しかないですよ。中村一美さんとか。村上さんの作品がある。(図版を指さして)ここにDOB君がいるね。<中村一美氏がVOCA展に出品しているとする事実誤認がありました。実際には中村一美氏は、「VOCA展の選出形式に異議を覚え、推薦を辞退」されています。まったく逆な情報として文章が掲載されたことに、中村一美氏と関係者のみなさまには大変ご迷惑をおかけいたしまして、申し訳ございませんでした。>

眞島:それ何年?

永瀬:1994年ですね。

眞島:そんな前からなんだ。VOCAって。

中村:(カタログを開きながら)今のVOCA展に展示されているような絵なんてひとつもないね。

pic

眞島:安井賞が終わったのは何年ですか? かぶってるんでしたっけ?(安井賞は1997年第40回をもって最終回。VOCA展は1994年から開催)

楠見:ある意味では安井賞の対抗馬だったのが、安井賞の終了によって逆に継承者になってしまうわけですよ。

中村:当時のカタログ見て思うんですけど、最近のVOCA展の作品はもっと子どもっぽいですよね、変な言い方すると。

眞島:ただ、逆に言うと、2000年前後くらいからのVOCA展は、なぜかポコポコッと現代アーティストが放り込まれて、そしてシカトされる、っていう不思議な構造をもっているじゃないですか(笑)。現代アート系で受賞している人もいるし、もちろんみんな推薦されて出品しているんだけれど、それとは全く関係のないところでVOCA展の批評の体系が成立し続けてきたわけですよね。最近ちょっと変わってきたみたいな話も聞くんですけれど。

楠見:それこそ絵画の復権に対して、新しい理論的支柱を与えようとしたわけでしょう?

中村:でもね、結局奈良さん、村上さんらが切り拓いたものが、単純にマニエリスムに落ちていくっていう。それに対する苛立ちが僕はありますね。急にアニメみたいな絵を描いたりとか、かわいい絵を描いたりとか、そういう話じゃないだろうっていう。

永瀬:それはでも、別にこの時代に特有のことではなくて、基本的にモダンっていう新しいものだけが重要だっていう風潮の中で、ずっと繰り返されてきたことであって。苛立ちとしてはわかるんですけれども。

中村:非常にみっともないことを言ってるなっていうのはわかります。

眞島:それはやっぱり、モダニズムというものは常にキッチュに変質するし、変質しないとモダニズムではない、とそういうことですよね。

中村:本当にしょうもないことを言いました(苦笑)。

楠見:その苛立ちを作品にせよ。そこから新しい美術が切り拓かれる(笑)。

会場:(笑)

中村:えーっと(笑)、スーパーフラットの話に戻りたいんですけれども、東浩紀さん。それでこれはそのままカオスラウンジの話になるのかな? みたいな部分もあるんですけど。一方でこのスーパーフラットっていうのは日本美術ブームみたいなのも対応しているんですよね。山下裕二(1958-)さんらがずっとフォローしていたことが、伊藤若冲(1716-1800)などのブームにつながっていく。また村上さんも辻惟雄『奇想の系譜-又兵衛、国芳』(美術出版社、1970年)を紹介して、これらの日本美術の再発見がスーパーフラットと結びついて行く。
(時間確認で一時中断。2001年へ)
 

奇想の系譜 (ちくま学芸文庫)
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20世紀末・日本の美術
ーそれぞれの作家の視点から
企画:中村ケンゴ
企画協力:MEGUMI OGITA GALLERY
音響機材:NORISHIROCKS
椅子提供:Civic Art
記録:小金沢智
ビデオ撮影:亀井誠治
販売協力:原花菜子
登壇者
眞島 竜男/現代美術作家
永瀬 恭一/画家
中村 ケンゴ(司会)/美術家
楠見 清(ゲスト・コメンテーター)/美術編集者・評論家
目 次
年表作成の為の参照文献
<年表作成の為の参照文献>
BRUTUS 2008年2/15号『すいすい理解る現代アート』/美術手帖 2005年7月号『日本近現代美術史』/山内崇嗣の美術史年表wikipedia『1990年代』FUKUSHI Plaza 『20世紀略年表』
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